秋の味覚、クリの卸値が高い。東京・大田市場の3日(相対・高値)の卸値は1キロ735円と平年を2割弱上回る。今年は収穫量の少ない裏年に当たるうえ、台風15号の強風による落下で入荷が減った。卸値上昇は店頭価格に波及している。主産地の茨城県は9月21日に台風15号に見舞われ、「成長過程のクリが落下した」(JA全農いばらぎ)。10月中旬以降はそれ以前に収穫して貯蔵した分を出荷するが、今年は9月中旬まで残暑が厳しかった。このため「果肉が変色するなどの品質不良で貯蔵に回せなかった」(卸会社)という。今後も入荷低迷が続く見通しだ。
 東京都内のスーパーの店頭価格は500グラムあたり580円と、平年同時期に比べて1〜2割高い。「入荷量の減った先週に100円値上げした」とする小売店もある。

日本経済新聞2011年10月4日〜生鮮クリック「クリ」〜より紹介しました