みなさんはどんなお菓子が好きですか?和菓子、洋菓子、スナック菓子、クリームたっぷりの高級な生菓子、昔ながらの素朴な駄菓子。一口にお菓子といってもさまざまです。
 せんべいや金平糖のような水分の少ない菓子を干菓子といいます。アイスクリームやシャーベットは昔は氷菓子と呼ばれました。では、水菓子といったら、何だと思いますか。
 干菓子と反対に水分の多いゼリーでしょうか。それとも、ジュース?いえ、水菓子とは果物のことです。「果」も「菓」も木の実を意味しています。菓子はもともと果物を指す言葉でした。中国から伝えられた団子やまんじゅうのような、人が手を加えて作ったものを菓子と呼ぶようになり、それと区別して江戸時代、水菓子の言い方が生まれました。
 「今がおいしい水菓子ー梨、ぶどう、林檎など」。1927年9月のある日の読売新聞の見出しです。昭和の初めごろまでは、水菓子の呼び名は広く使われていたようです。
 今年も実りの秋がやってきました。水菓子のパティシエ(菓子職人)である大自然と農家の人に感謝してたくさん食べたいですね。

読売新聞2012年9月26日〜学ぼう なぜなに日本語「水菓子」はどんなもの?(関根健一氏による)〜より紹介しました