あんこが入ったまんじゅうに赤飯がのっている。埼玉県北部の羽生市や加須市などに伝わる郷土料理「いがまんじゅう」だ。「別々に食べればいいのに」と思う人もいるだろう。
 しかし、食べると、もちもちと赤飯と、柔らかな饅頭の対極の食感が不思議とマッチングしている。あんこの甘みが赤飯のうまさを引き立てる。農林水産省の郷土料理百選にも選ばれている。
 名前の由来は、見た目が栗のイガに似ているからというのが通説らしい。昔は田植えのあとや夏祭りといった大切な日に作って食べたという。最近では一年中、和菓子店などで手に入るようになった。(略)
 いつごろから食べられているかは定かではない。(略)いがまんじゅうをまちおこしに使っている羽生市。まんじゅうの顔に赤飯をのせたゆるキャラ「いがまんちゃん」を誕生させ、PR役を託している。

朝日新聞2012年6月15日〜いがまんじゅう(今井由紀子氏による)〜より紹介しました