2月3日の節分に、巻きずしを縁起の良い方向を向きながら丸かぶりする「恵方巻き」。この風習にあやかった菓子商品が次々と生まれ、人気を集めている。
 恵方巻きの風習は江戸時代に大阪で始まったとされる。節分の日、その年の福をつかさどる「歳徳神」がいる方角に向かって、巻きずしを丸かぶりする。今年の方角は北北西。福が逃げないように、黙って食べるのが習わしだ。
 10年ほど前から全国に広まり、最近はデパートやコンビニにも登場。認知度がますます上がっている。そんな中、巻きずしだけでなく、お菓子でも恵方巻きにちなんだ商品を販売する動きが目立ってきた。(略)
 食文化史研究家の永山久夫さんは、「縁起の良い方角に向かって物を食べる素朴な行為だからこそ、幅広い人に受け入れられ、お菓子も作られるようになったのでしょう。つらいことの多い現代、年に1度のことでもあり、邪気や災厄を払う伝統行事を味わってみては」と話している。

読売新聞2012年1月29日〜お菓子の恵方巻き どうぞ〜より紹介しました