Published by itouya on 30 9月 2013
飯田市歴史研究所が10周年
長野県飯田市が運営する市歴史研究所が12月で創設10周年を迎える。大学教授レベルの若手の専任研究員を抱え、成果を次々に刊行する一方で市民研究者も育成するなど、地方史の世界で異彩を放っている。
設立は2003年12月。「地域の歴史をひもとき、残していく恒常的事業を」という市有識者会議の提言から生まれた。自治体が時前の研究所を持つのは珍しい。
所長兼研究部長の吉田伸之・東大名誉教授を筆頭に、任期5年の研究員が3人。ほかに調査研究員、顧問研究員などが30人以上在籍する。(略)
研究所の大きな特徴の1つが「市民研究員」の存在だ。公募で採用されると、研究所の設備や研究費が使える。ただし、2年をめどに成果を公表しなくてはならない。(略)
研究員の指導のもと、市民の有志が隔週ないし月1回のペースで集まる古代史・近現代史・思想史・満州移民研究などの「ゼミナール」や、今年12月で70回を迎える大学の専門教育レベルの集中講座「飯田アカデミア」の開講、『飯田・上飯田の歴史』をはじめとする約40冊の書籍の刊行など、教育・普及面にも力を入れる。(略)
朝日新聞2013年9月30日夕刊〜郷土史研究 市民とともに(宮代栄一氏による)〜より紹介しました