料理記者60年近い岸朝子さんは、毎朝、自家製の果物ジュースと牛乳を1杯飲む。芯だけとった、皮つきのリンゴとグレープフルーツ1個を房ごとミキサーにいれ、かき混ぜる。「皮が大事なのよ、食物繊維があって。底にたまったカスごと飲むの」。それに牛乳。戦前はもっぱら病人が飲んだ。それほど栄養があるのだ。
 長年、日本人の食生活を見続けてきた。日々の食事で大切なのはバランスという。「一日にいただく食事は、魚1、豆1、野菜が5、が基本です」。1とは100グラムのこと、魚は動物性たんぱく質の意味で、肉でも可、豆は豆腐などの植物性たんぱく、野菜は緑黄色野菜がいい。なにより「おいしくいただくこと」が大事だ。料理番組で岸さんが口にし、流行語にもなった「おいしゅうございました」は、料理人や食材への感謝の気持ちがこもっている。(略)

朝日新聞2013年4月27日be〜元気のひみつ 料理記者岸朝子さん(牧村健一郎氏による)〜より紹介しました