東京と長野県の農村とを結ぶ交流事業に都内出身の生産者が活躍している。都会から水田のオーナーを募り、米づくりを知ってもらう長野県伊那市高遠町の「ふれあい農園」事業。日ノ出町から高遠町に移り住んだ町田さんが水田の管理者として汗を流し、ホームページなどで情報発信。田植えなどの体験会では都会の人を温かく迎えている。
 伊那市は長野県の南部に位置し、南アルプスと中央アルプスに抱かれた都市。交流事業は、同市と合併する前の旧高遠町が米の需要拡大を図ろうと2000年度にスタートした。オーナーの募集については、友好提携を結ぶ新宿区との縁を生かそうと、都内から募ることにしたという。同市によると、05年度のオーナーは約50組だったが、ここ数年で急増。10年目となった09年度は約200組がオーナーとなり、過去最多を更新し、農園をひとつ増設したほどだ。オーナーは23区内のほか、多摩地域や埼玉など幅広いという。(略)
 募集は、1区画(1アール)あたり年額2万円で契約し、収穫したコシヒカリ(玄米約60キロ)を受け取る。日常的な管理と作業は管理人が担い、オーナーは田植えと稲刈りの体験会に参加する。今回は「勝間」「山室」「山田」の3つの農園で希望者を募る。締め切りは2月26日。申し込みと問い合わせは、同市高遠町総合支所農林進行係。

朝日新聞2010年1月20日〜東京と長野、農で結ぶ(石川幸夫氏による)〜より紹介しました