信州そばで知られる長野県で、県産のそば粉の価格が高騰している。ソバのタネをまく夏場の長雨の影響で、県産のソバの収穫が例年より3〜4割程度減ったのが原因。かき入れ時の年末を控え、県産にこだわるそば店では年越しそばの値上げを検討する店も出てきた。
 農林水産省によると、長野県の過去5年のソバ収穫量は2千トン前後で推移。しかし県は今年の収穫量を1200トン程度と見込む。湿気に弱いソバの種をまく時期に長雨が続き、農家の種をまく時機を逸したり、うまく生育しなかったりしたのが不作につながった。国内で流通するそば粉のうち国産は2割程度。このうち1割が長野県産で高級そば粉として取引されている。県内製粉業者によるとそば粉の原料となるソバの実の仕入れ値は例年だと45キロで約1万5千円だが、今年は約2万2千円に値上がり。他の国内産地も不作で別の業者は「『年越しそばの時期だけはなんとかしてほしい』とそば店から依頼が来るが、外国産を使ってもらうしかない」と話す。(略)

日本経済新聞2009年12月21日夕刊〜長野県産そば粉急騰〜より紹介しました