春を表現した和菓子を作って、季節の訪れを楽しんでみてはどうだろう。和菓子研究家の鳥居智栄さんに、自宅で作れる和菓子を教えてもらった。
 和菓子は、職人技のイメージが強く、難しそうだが、鳥居さんは「材料も道具も身近なもので作ることができ、意外と簡単ですよ」と話す。
 春先にぴったりなのは、うぐいす餅。春告鳥とも呼ばれるうぐいすを表現した上品な和菓子だ。独特の色を出すために、青大豆のきなこ「うぐいすきなこ」を使う。
 < 市販のこしあんに大さじ1杯程度の水を加えてよくまぜ、8等分し、両手のひらを使ってコロコロと丸める> こしあんは、メーカーによって硬さが違う。そのまま使うこともできるが、水を加えてより軟らかい食感に仕上げる。「丸める時にてにくっつくかくっつかないかのギリギリの軟らかさがちょうどいい」と鳥居さん。水を加えすぎたら、あんを足したり、電子レンジにかけて水分を飛ばすなどして調整する。続いて、あんを包む生地「ぎゅうひ」を作る。
 <耐熱容器に白玉粉を入れ、水90ccを少しずつ加えながら手で混ぜて溶かす。砂糖を加えて溶かし、蓋をして電子レンジ(600W)で2〜3分加熱する。取り出してへらでよく練ると、乳白色の生地がだんだん透き通ってくる。へらと引き合うほどの強い粘りが出るまで練る。粘りが足りなければさらに蓋をして30秒〜1分加熱し、さらに練る>
 白玉粉は、水を一気に加えてしまうと溶けにくい。「耳たぶぐらいの感触になるまでは、少しずつ加えて混ぜてください」。レンジにかける時も一気に加熱せず、生地の固まり具合を確かめながら少しずつ加熱する。
<生地を、うぐいすきなこの上に取り出し、きなことなじませながら8つに分ける。丸く平たく延ばした生地の真ん中に、丸めたあんを置いて包み、生地の端を指でつまんでとじる。俵型に整え、両サイドを親指と人差し指でつまむ。これを8つ作る。仕上げに、茶こしでうぐいすきなこをふるう>

読売新聞2015年3月11日〜春の和菓子作って楽しむ・うぐいす餅〜より紹介しました