見た目は、上品なあめ色をしたユズのよう。一口かめば、もちもちとした食感に、ユズのほろ苦さと甘みが広がる。
 もともとは、輪島塗の職人が各地に行商に出向く際の保存食だったとされ、創業100年以上の老舗「柚餅子総本家中浦屋」(輪島市)が、変わらぬ手法で製造を続けている。
 毎年11〜12月、四国産の大玉ユズの中身を、職人がへらで一つずつ丁寧にくりぬく。光が透けるまで皮を薄くし、その中に砂糖やしょうゆで味付けした餅を流し込む。半年の自然乾燥を経て、ユズ本来の黄色からあめ色に変化し、表皮と餅が一体化すると完成だ。
 今季は約4万個を製造。そのまま切って食べるも、料理に付け合わせるもよし。

読売新聞2015年2月3日〜ふるさとの逸品 丸柚子餅(石川県)〜より紹介しました

参考  http://yubeshi.jp/ 柚餅子総本家中浦屋