長野県飯田市の静かな住宅街にある市立鼎みつば保育園。屋根の上で、縦数メートル、横数十メートル、出力10キロワットの太陽光発電パネルが春の日差しに輝く。よく目にするようになった光景だが、この太陽光発電パネルは、他とはちょっと違う。全国から出資を募った市民ファンドが設置の原動力となっているのだ。パネルを設置して発電事業をするのは、太陽光発電会社「おひさま進歩エネルギー」(飯田市、原亮弘社長)だ。エネルギーの地産地消を目指すNPO法人「南信州おひさま進歩」が04年に設立した。
 パネルを置く場合に問題となるのが、出力1キロワットあたり約70万円かかる費用。国や自治体の補助金があってもハードルは高い。それを市民ファンドで乗り越える。(略)08年度末にも約4億3千万円集めた。これまで公民館や児童センターなど市の公共施設を中心に160カ所以上で設置してきた。総出力は1200ワット以上。年間で約780トンの二酸化炭素を削減できる計算になる。(略)


朝日新聞2009年5月14日〜市民ファンドで設置推進・長野県飯田市(中村浩彦氏による)〜より紹介しました(主に記事の前半部分です)