全国各地の和菓子メーカーが海外展開を強化している。海外向けにアレンジした商品を投入したり現地生産を始めたり戦略は様々だが、国内の人口が減るなか、各社とも購買力が急伸するアジアをはじめ欧米などの需要を取り込む狙いだ。すしなど日本食が海外で築いてきた健康志向のイメージを生かしつつ、販路を拡大しようとしている。(略)
 全国菓子協会によると、10年の和菓子を含む菓子の輸出は前年比6%増の144億円。輸出はリーマン・ショック後の09年に落ち込んだが、10年前より4割以上増えている。全日本菓子輸出工業協同組合連合会は好調の背景を「富裕層、中間所得層が急増するアジアを中心に、和菓子はおいしく安全との認識が定着してきた」とみる。
 ただ、外国人になじみが薄い食べ物だけに、販売には工夫も必要だ。MEW松江菓子実行委員会は「米国ではギフト需要が多いと聞き、包装紙用の千代紙を置く」(松江商工会議所)。「MADE IN JAPAN」「LOW FAT」などと書かれた英字パンフレットを添え、消費者に特徴を訴える。
 丸京製菓(どらやき大手・鳥取県米子市)は「(北米では)どら焼きはヘルシーイメージに加え、パンケーキ感覚で受け入れられている(国際貿易部)」とみて、家庭で温め直す食べ方も提案している。


日本経済新聞2011年8月13日〜和菓子、海外に挑む〜より紹介しました