Published by itouya on 10 1月 2011 at 08:21 pm
歌会始の「御題菓子」
宮中の「歌会始」のお題にちなんだ和菓子が発表されている。「御題菓子」などと呼ばれ、年末から歌会始の儀がある1月中旬までの期間限定の菓子だ。今年のお題は「葉」。各店が趣向を凝らした和菓子で歌会始を味わうのも楽しそうだ。
老舗和菓子店「とらや」の菓子は、紫、白、緑のようかんを重ねた「葉ぼたん」や、きんとんで葉の彩りを表現した生菓子「かさね葉」など4種類。車内で図案を募り、約700点の中から書類選考や試作を経て選ばれた新作だ。「お題をどう表現するかに加え、新年らしい華やぎやおいしさ、ほかの菓子とのバランスも考えて選びます」(広報担当)という。
「両口屋是清」の「御題集<ゆずり葉>」は、白あんや栗などを使い、子孫繁栄の象徴として知られるユズリハをイメージした。前年1月にお題が発表されるのを待ち、菓子職人が1年がかりで準備する。
日本橋三越本店でもようかんを5層に重ねた「三英堂」の「葉風」などが並ぶ。お茶会用などに買い求める客が多いという。
和菓子の資料収集や研究を行っている「虎屋文庫」の中山圭子さんによると、御題菓子が文献に登場したのは明治時代。歌会始に一般の国民の参加が認められ、お題が身近になるにつれて、京都の和菓子店などを中心に広まったらしい。「年ごとに変わるお題に合わせて新顔の菓子が登場し、店事に姿形が違う。見比べ、食べ比べてみるのもこの季節だけの楽しみです」と中山さんは話す。
読売新聞2011年1月6日〜歌会始お題「葉」で和菓子〜より紹介しました