7月17日は永遠のタフガイこと石原裕次郎さん(1934〜87年)、8月4日はフーテンの寅さん(1928〜96年)の命日です。今回は、昭和の大スターという名にふさわしい二人が愛した和菓子を紹介します。
 石原裕次郎さんお気に入りの和菓子は、世田谷区祖師谷大蔵にある御菓子処「香風」の「豆大福」。お餅のコシが強いので丸めずに、あんを筒型にくるんでいるのが特徴です。甘さ控えめのあんが端から端までたっぷり入って、食べ応え抜群。噛むほどに杵つき餅ならではの香りが口にひろがります。裕次郎さんの墓前には今でも、この豆大福をお供えするファンの方がいるようです。
 一方、渥美清さんが生前好んでいたのが、浅草にある甘味処「西山」の「福々まんじゅう」。1852(嘉永5)年年創業の老舗ならではのこだわりで、あんづくりは、小豆をひと粒ひと粒選定することから始めます。ふかしたての蒸しまんじゅうは、皮がふっかふか。塩の効いた甘さ控えめのあんと皮のハーモニーは、やみつきになるおいしさです。(略)

月刊わくわくプレゼント2013年7月号〜いとお菓子・手みやげにしたい物語のあるお菓子(コラムニスト平田碧氏による)〜より紹介しました